2023年11月14日〜26日の間、
瀬戸内海を姫路から門司まで漕いできました。

総距離およそ420kmのひとりシーカヤック旅の様子を綴っていきます。

 


 

4日目 11/17(金)のはなし

強風予報の通り、朝になっても風がテントを揺らしています。

もしかすると2〜3日停滞になる可能性があるけれど、
陸路で街に出られないこの場所に閉じ込められるのはツラい。
少しでも風が落ちたり状況が改善されたとしても、ここにいては先へ進むのは難しいだろう。

うだうだ悩みながら、7時ごろようやく気持ちが固まり準備を始めました。

空も晴れてきて、風も少し落ち着く時もある。
昼前にも少し和らぐ予報になっていました。

島陰を進みながら行けるとこまで行こう!と、8時前に出発。

白石島まではまあなんとか行けるか・・・
潮にとても助けられながら、西風に負けじとフェリーグライドで島を渡っていきます。

風裏で休みつつ、次の高島へ。
なかなかの風です。
潮に感謝しながら本土へ向かいます。

津軽海峡を思い起こすような波と風に負けず、潮に乗りながらしっかり漕いでいきます。

本当にやばいところは写真を撮る余裕もありませんでした。

なんとか福山港の東端までやってきました。
港の前には大きな貨物船が浮かんでいます。

これを渡るのか…
双眼鏡で見てみると大半の船が投錨していてちょっと安心。

風の中の横断に備えて、昨日作っておいたおにぎりを口に詰め込みます。
お米パワーを信じて!渡り始めます。

これまたなかなかの風と波に、再び津軽海峡が思い起こされます。

貨物船が止まっていてよかったーと心底思いながら、
川から吹き抜けてくる横風や向かい風のなかを漕いでいきました。

10時ごろになれば風も若干落ち着くはずの予報を信じて進みます。

大きな川のあたりから、5~7m/sくらいの風が2~3m/sに落ちてきた感じがしました。
バッサバサだった水面も、なんだか穏やかになり漕ぎやすくなった気がします。

昼過ぎからまた強風の予報、それまで距離を稼ぎたい。
ひとまず鞆の浦の東側に浮かぶ仙酔島まで漕ごう!
風が再び強く吹くこともありましたが、朝の風に比べれば概ね優しい。
岸に寄りつつ島を目指します。

目標物が見えていると、グイグイ進んでいるはずでも全然近づいている気がしません。
島渡りあるあるか?だいぶ疲れてきました。
鞆の浦へ行くか?
仙酔島にするか?
あるいはもっと先へ行くか?

 

仙酔島から鞆の浦まで「いろは丸」なる定期船が走っている様子。
鞆の浦を一度覗いてみるも、上陸は難しそうとなったところで再び風が強く吹いてきました。

追い波&追い風に乗りながらなんとか仙酔島へ辿り着きました。

 

閉鎖された国民宿舎やキャンプ場のある浜でしたが、
まばらに散策している人がいて、今テントを張るのはとても気まずい・・・

平地を一回りしてテン場を決め、設営は暗くなるまで待つことにしました。
鞆の浦までの定期便を調べてみると1時間に3便、朝から夜まで走っています。
しかも240円!安い。

鞆の浦へ行けば温泉もあり、村上水軍さんのお店もある!
ということで、貴重品たちや風呂セットをIKEAバックに詰め込んで
15時過ぎの船便で鞆の浦へと渡りました。

観光地にデカいIKEAバックを背負う変人。

とても素敵な街並みに感動。
海外からの観光客も多くいました。
村上さんにご挨拶と思って尋ねるもご不在。

灯籠を見て、蔵を改造したカフェで一仕事。

旅の記録を整理します。

暗くなってからホテルの日帰り温泉へ向かいました。
ここも高額な温泉だったので、のんびりのんびり満喫します。

久しぶりのコンビニの光に誘われて買ったファミチキが体に沁みました。

のんびりしすぎて最終便で島へ帰ります。

島へ帰る船のおじさんに「カヤックできたのか?」と話しかけられました。
「こないだも岡山〜山口を漕いでいる2人組が来たが、あんたでない?」
「明日は難しいなー」なんて話したり。

「島にテント張りっぱなしでも怒られませんか?」と尋ねると、
「大丈夫大丈夫!」と言われて一安心。

なんだか久しぶりに対面で人と会話しました。純粋に嬉しい。

島に戻って設営し、昨日大量に炊いていた残り米を頑張って食べ切りました。

トイレも一晩中電気がついているようで、ここでもイノシシは大丈夫そうです。

強風に備えて就寝。

 

鞆の浦の夕暮れ

 

つづく

 


 

旅の記録

2023.11/17 距離:25km 

am7:50 北木島 〜 pm13:30 仙酔島

 

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